コラム「虫歯はどうしてできるの?」
■虫歯と歯垢
また虫歯ができました―困りましたね。虫歯がどうしてできるか知っていますか?―自然にできるわけではないんですよ。虫歯ができるのは歯垢の作り出す酸が歯を溶かすからです。
歯垢(しこう)って何でしたっけ?
歯の表面についた白いネバッとしたもの、それが歯垢です。歯垢(プラークともいいます)は食べカスではなく、バイ菌のかたまりです。
爪楊枝の先に少しついただけの歯垢の中には、何億というバイ菌が入っています。
甘いものを食べると、歯垢の中のバイ菌が糖分を分解し、酸を作り出します。この酸はPH4前後の強い酸性で、歯の表面のエナメル質は骨より硬い組織ですが、PH5.5より強い酸には溶け始めてしまいます。(PH7は中性。これより低いと酸性が強くなり、高いとアルカリ性が強くなります。)
もうおわかりですね。
歯垢の中のバイ菌が食べ物のなかの糖分を分解して強い酸を作り、その酸が歯を溶かして穴を開けます。これが虫歯です。
■Q.甘いものを食べて、歯も磨かないのに虫歯にならない人がいるのはなぜ?
A.歯垢のなかのバイ菌は人によって種類が少し違います。
酸を作り出す虫歯菌の多い人と少ない人がいます。 幸運にも虫歯菌の少ない人は、食事やブラッシングにあまり気を使わなくてもいいかもしれません。 でも、油断大敵。
虫歯菌が少なくても、歯槽膿漏菌は多いかもしれません。
また、年齢や環境によってバイ菌の種類が変わってくることもあります。
■Q.完璧なブラッシングをしたら虫歯は100%防げる?
A.理論上は完璧なブラッシングが常にできていれば虫歯はできません。
でも、実際にはそれは無理。
それを補うのが糖分のコントロールです。下の図を見てください。糖分・バイ菌・菌の三つが重なったところが虫歯です。
ブラッシングと糖分をコントロールすることで虫歯のリスクが小さくなるのが分かりますか? いくらブラッシングをしても糖分が次々と入ってくるのではバイ菌に餌を与えているようなものです。

■Q.甘いものは嫌いなのになぜ虫歯ができるの?
A.甘いお菓子だけでなく、ジュースや缶コーヒーなどの清涼飲料水・のど飴・チューインガムなどにも糖分は含まれています。
また『シュガーレス』と表示されている食品の成分をよく確かめてみてください。 水飴や果糖は入っていませんか?
今のところ使用している甘味料が虫歯の原因(酸)とならないものには「歯に信頼」マーク(画像参照)が入っていますが、糖分は気がつかないうちに口にしているものです。
主食・間食・飲み物に気をつけていないと砂糖漬けになってしまいます。

画像出典:日本トゥースフレンドリー協会
■最後にもう一つ『唾液』のこと
唾液(つば)には歯垢の作り出す酸を中和する能力があります。
緩衝能といいます。
唾液のたくさん出る人と出ない人の間に虫歯の発生率の差があることも分かってきました。他にも、発ガン物質を抑制する、消化吸収の助けになるなど、唾液の有効性が注目されています。
「唾を吐く」なんてもったいないことですね。
唾液をたくさん出すためには、よく噛むことです。よく噛むためには柔らかいメニュー中心の食事ではいけません。食事は時間をかけ、よく噛んで腹八分目に。
虫歯や歯槽膿漏の予防だけでなく、すべての健康の基本です。
出典:歯考会


